6.6. 進化との関連 : 酵素出現前と出現後の生命
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生きた細胞はATPを好気的(細胞呼吸の際に酸素を使う)にも嫌気的(発酵の際に酸素を使わない)にも合成することができる
これらの過程は両方とも、グルコースを分解してピルビン酸をつくる解糖で始まる
それゆえ、解糖は生命がエネルギーを獲得するための普遍的な過程
解糖の呼吸と発酵の両方における役割には進化的な根拠がある
原初の原核生物は、地球大気に酸素が存在するはるか前には、ATPをつくるために、おそらく解糖を使っていた
知られている最も古い細菌の化石は少なくとも35億年前のものであるが、有意のレベルのO2が大気中に蓄積したのは27億年前から後のこと
およそ10億年間、原核生物は解糖によってのみATPを合成しなければならなかった
解糖がほとんどすべての生物で行われているという事実は、すべてのドメインの生物に共通の祖先において、ごく初期に進化したことを示唆する
解凍が行われる細胞内の場所も古い遺物であることを暗示する
その経路は真核細胞がもつ膜で包まれた細胞小器官を必要としない
その真核生物は原核生物の出現後10億年以上経って進化してきた
解糖は原初の細胞から継承した、代謝における先祖伝来の財産のようなもので、発酵と細胞呼吸において有機分子を分解する最初の段階で機能し続けている